不動産コラム

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所得税の仕組み 収入の集計から税額の確定まで

インターネットの発達や、働き方改革による勤務形態の変化により、確定申告をする方が増えています。副業でネット販売を行ったり、業務委託という形態で飲食店の経営を行ったりする場合は、給料として金銭を受け取るわけではないため、年末調整で年間の所得の計算を終えることができません。そのため基本的に確定申告書を作成して提出と納税をしなければなりません。今回はあらためて所得税の仕組みをおさらいしてみましょう。 個人の所得の種類   日本の個人所得税は10種類の所得に分類されて課税されます。給与所得・事業所得・不動産所得などは聞く機会も多いかもしれませんが、その他に7つの所得の種類があります。 ①給与所得 最も多くの方がこの所得です。勤務先から給料・賃金・賞与などを受け取っている場合の所得は給与所得です。給与所得は、収入の金額に応じて給与所得控除という必要経費が決められており、必要経費の領収書を収集するなどの手間がかかりません。実際の領収書を集めて計算をする特定支出控除という制度もありますが、手間がとてもかかる割には節税効果が少ないケースが多く、2018年での適用者は1704人しかいません。 給与の収入が2,000万円を超える方や2箇所以上から給料をもらっている方、給与所得や退職所得以外の所得合計が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。最近増えてきた業務委託契約での所得は給与所得と雑所得や事業所得との区別の判断は割と難しく、契約内容だけではなく勤務状況等による判断が必要になります。 ②事業所得 不動産の貸付や山林の譲渡以外の事業から得られる所得は事業所得です。確定申告が必要になります。会社組織ではなく屋号を付けて事業を行っている人は、事業所得の分類になる場合が多いです。ただし、会社員が副業で収入を得ている場合、事業所得か雑所得かの判断に明確な基準がありません。事業所得は営業の規模や独立性、反復継続して行っているかなどにより判断することになります。事業所得は青色申告を選択できたり、損失が出た時に他の所得から控除したりすること(損益通算)ができますが、雑所得は、一部の雑所得同士との損益通算を除き、損益通算ができません。(2021年9月現在)判断に迷った場合には税理士や税務署で相談することをおすすめします。 事業所得・不動産所得・山林所得は青色申告を選択することができます。青色申告を選択して収入や経費の記帳を行い、証拠書類を保存しておくことで、損失が出た年は翌年以降3年間、損失を繰り越して同じ所得や他の所得と相殺することができます。また、青色申告控除の適用を受けることもできます。 税金対策のために事業を始めたいという相談を受けることがあります。確かに損失が出た場合には他の所得と相殺して税金を引き下げることができますが「最初からそこを考えているのであれば、事業はやらない方が得だと思います」とお答えしています。 ③不動産所得 不動産などの資産の貸付から得られる所得は不動産所得で、所得が出る場合には確定申告が必要です。不動産所得は、賃貸料収入から必要経費を差し引いて計算します。不動産所得も損失が出た場合には、例外を除いて他の所得と相殺することができます。また、事業所得と同様に青色申告を選択することで、損失を翌年以降に繰り越すことができます。 ④配当所得 株主が出資をしている法人から受ける利益の配当金などの所得を配当所得といいます。源泉徴収の対象になり、上場株式等の配当で申告不要制度を選択しない場合には、他の所得と合算して確定申告をする必要があります。また、上場株式等の配当の場合には、申告分離課税を選択することもできます。申告の選択については、証券会社に相談してみましょう。 ⑤一時所得 懸賞などで当選した場合の賞金や商品、公営ギャンブルの払戻金(一部例外あり)、生命保険や損害保険の満期返戻金などが一時所得です。一時所得は、課税所得を計算する際の特別控除、他の所得と合計する際に1/2に相当する金額を合計すればいいなどの有利な扱いがあります。所得がプラスの場合になる場合には、確定申告が必要です。 ⑥雑所得 多くは年金収入である雑所得ですが、最近は副業を始める方が多く、雑所得がある方も増えていると思います。所得の計算は、収入から必要経費を引く方法で事業所得と同様ですが、先物取引に関わる雑所得等などの一部を除き、雑所得は損失が出ても他の所得と相殺(損益通算)はできず、翌年以降への繰越もできません。他の所得に当てはまらない所得が雑所得になり、所得の範囲はとても広いです。所得がプラスの場合には基本的に確定申告をする必要がありますが、源泉分離課税のある金融商品による所得の場合には確定申告の必要がありません。 ⑦譲渡所得 不動産や株式などの売却をした際の利益を譲渡所得と呼び、不動産や株式を売却した時は他の所得とは別に計算をする「分離課税」、それ以外の資産の売却に関しては他の所得と合算する「総合課税」で計算します。証券会社などに特定口座を開設し、源泉徴収口座の場合は、確定申告は不要です。株取引や投資信託などは計算が複雑になりがちなので、株取引などの詳細にあまり自信のない方はこの制度の選択をおすすめします。 ⑧利子所得 利子所得という言葉をあまり見る機会はありませんが、実際には普通預金の利息などは課税され所得税を源泉徴収されています。これを利子所得といいます。分離課税方式をとっているため確定申告の必要はありません。 ⑨退職所得 退職金を受け取った時に課税されるのが退職所得で、基本的には所得税や住民税の計算が終わった源泉徴収税額が徴収されているため、確定申告をする必要はありません。ただし他の所得が無い、もしくは少なくて所得控除が控除しきれない場合、確定申告をすることで、源泉徴収税額の還付を受けることができます。退職収入から控除する退職所得控除は勤務年数に応じて金額が大きくなり、同じ収入でも他の所得に比べて税額は少なくなります。 ⑩山林所得 山林を売却した際の所得で、あまり触れる機会はない所得です。確定申告が必要です。青色申告の選択も可能です。 所得控除   課税所得を計算する際には、合算した所得から所得控除を差し引きます。所得控除には、実際に支払った金額に応じて控除額が決まるものと人的な計算によるものの2つに分けられます。 前者には医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除、ふるさと納税を確定申告で精算する際の寄付金控除などがあります。給与をもらっている方でも年末調整で計算のできない医療費控除や寄付金控除を受ける場合、確定申告をすれば控除を受けることができます。 後者には、扶養控除・配偶者控除・基礎控除・障害者控除などがあり、配偶者特別控除以外は控除金額に人数をかけて控除金額を計算します。配偶者特別控除は、配偶者の所得に応じて控除できる金額が変わります。これらの控除は基本的に年末調整で計算は完了し、確定申告は必要ありません。 所得税額の計算   所得税額の計算は、合計所得(分離課税以外の所得の合計)から所得控除を差し引いた課税所得に税率をかけて計算します。税率表は以下のとおりです。(令和3年現在)  
課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円~17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円
  例えば、課税される所得が350万円の場合は上から3番目の税率で、 3,500,000円×20%-427,500円=272,500円 が税額です。 計算上で427,500円の控除があることによって、税率の変動による税額の跳ね上がりを抑える効果があります。この例の場合は、税率表では20%ですが、税率は逆算すると次のようになります。 272,500円÷3,500,000円≒7.7% このように控除額があることによって、実際の税率は20%にはなりません。  

税額控除

税額控除は課税所得に税率を適用し、控除額を引いて計算した税額から税額控除を差し引きます。税額控除の中では住宅ローン控除が最も適用が多く、ついで多いのは特定の寄付をした場合の政党等寄付金等特別控除です。その他、配当所得がある場合には配当控除という税額があります。住宅ローン控除は最初の年の確定申告が必要で、その申告のときに年末調整での適用を選択すると納税者宛に税務署から控除用の書類が送られてきます。その書類を会社へ提出すると2年目からは年末調整で控除が完了し、確定申告の必要はなくなります。 所得控除は仮に100万円の控除があっても、税率によって実際に減少する税額は様々です。しかし、税額控除は税額を計算したあとに控除するために税率に影響がでないという特徴があります。
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