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タワーマンションのメリット・デメリット
駅前にあるなど立地に恵まれているほか、その高さや敷地の広さといった規模の大きさから、その街のシンボルにもなるタワーマンション。昨今、タワーマンションが盛んに建てられており、以前は都心部が中心でしたが、最近は郊外にも建てられるようになってきました。「タワマン」という略称でも呼ばれるようになり、認知度が高くなっています。今回はタワーマンションの購入を検討するときに役立つよう、その特徴と注意点についてご紹介します。
タワーマンションとは
まず「タワーマンション」という用語の正式な定義はなく、また法的な基準や階数による規定などもありません。そこで、ここではどういったマンションが「タワーマンション」と呼ばれるのか、整理してみたいと思います。
建築基準法やガス事業法などでは、建築物の高さについて20m、31m、60mで異なる基準が設けられています。中でも一般的に高さ60m以上の建物が「超高層建築物」とする考え方があり、これに該当する住居用建築物(マンション)をタワーマンションと呼ぶことが多くなっています。
高さ60m以上のマンションは、階数に換算するとおよそ20階建て以上になります。従って、高さ60m(20階建て)以上という条件に当てはまるマンションであればタワーマンションといっていいでしょう。
また、建築物を建てる際、都市計画法による用途地域や条例などで高さ制限が設けられるため、超高層建築物はどこにでも建てられるものではありません。そのため、タワーマンションが建つ立地は、もともと建築物について規制の緩い商業地や、工場跡地など開発のために規制が緩和された立地になるため、結果的に駅前やウォーターフロントのような恵まれた立地に建つことが多くなっています。
タワーマンションの特徴とメリット
タワーマンションにはその規模ならではの特徴があり、その特徴がメリットとなっているものが多くなっています。詳しくみていきましょう。
①眺望が楽しめる
タワーマンションならではの特徴は、何といっても高層階から望む眺望です。高層階から眼下に望む都市の夜景は圧巻でしょう。しかし、恵まれた眺望は一部の上層階が持つ特徴で、同じマンションでも所在する階層や方位(向き)によっては眺望が望めないこともあります。特に中層階より下は、周辺に建つビルやマンションに遮られ、眺望がほとんど楽しめません。②ステイタス性がある
タワーマンションは、壮観な外観だけでなく敷地の規模も大きく、その街のシンボルとなることもあるほどです。そのマンションに住まいを持つことで所有感や満足感が満たされる人も少なくありません。こうしたステイタス性は階層に関係なく享受でき、タワーマンションの大きな特徴になっています。③共用施設と入居者サービスが充実している
タワーマンションは数百という規模の住戸からなり、世帯数も多いことから、施設維持などの面で規模のメリットがあるため、共用施設や設備、マンション管理が充実しています。例えば、居住者が利用できる上層階のラウンジ、ゲストハウス、ジム、託児所(キッズルーム)など、一般的なマンションにはないさまざまな共用施設が設置されています。 また、マンション管理においても、清掃や点検などの単なる建物管理の域を超えた入居者サービスが提供されています。例えば、「コンシェルジュサービス」が用意されている場合もあり、スタッフが共用施設や設備の予約、備品の貸し出し、宅配便の受け取り、クリーニング取次、周辺案内などを担当します。こうした入居者サービスは、タワーマンションのステイタス性をより高めています。 ちなみにこれらの維持費は、管理費で賄われ、管理費はマンションの専有部分の面積(持分)によって案分されます。分譲価格など考えると価格の比較的安い低層階の方がお得ともいえるでしょう。④資産価値が維持されやすい
タワーマンションは、前述の通り立地の良い場所に建っていることに加え、上記のような特徴があることでさらに資産価値が高くなる傾向にあります。よって、資産価値が維持されやすいという大きな特徴があり、売却時などのメリットにもなります。 タワーマンションの注意点 複数のメリットがあるタワーマンションですが、以下のような注意点もあります。①管理費と修繕積立金が高額
一般的なマンションと比べて共用部分の施設や設備が充実しているため、その分管理費がかかり、高額となる傾向があります。また、タワーマンションはその高さや広い敷地といった規模の大きさから、大規模修繕工事にも費用がかかることになり、管理費だけでなく修繕積立金も一般的なマンションと比べて高額になります。②災害時に懸念点がある
基本的に規模の大きなタワーマンションには、地震災害に強い免震や制震といった建物構造が採用されるので、その点は安心です。ただ、その構造によって、小さな揺れでも上層階ほど揺れを大きく感じることがあります。 また、停電や水害といった災害でエレベーターが停止してしまい、階段での移動を余儀なくされた場合、上階ほど日常生活に支障が出てきます。そのため、非常用電源が用意されているマンションもありますが、すべてのタワーマンションに備わっている訳ではありません。たとえ用意されている場合でも、あくまで非常用です。長期にわたって電源が供給されない状況になると、上層階であればあるほど生活に支障が出る可能性があります。③野外に洗濯物が干せない場合もある
タワーマンションでは、基本的に上層階ほど風の影響が強く、また消防法などの規制もあって、上層階では洗濯物を屋外に干すことのできない場合がほとんどです。また、外観(見栄え)の問題や、多くの世帯が暮らすことからライフスタイルの問題もあり、低層階でも屋外に洗濯物などを干せないタワーマンションも多くなっています。④時間帯によってエレベーター利用が不便
タワーマンションは世帯数が多く、階層も高いため、特に利用が集中する朝の出勤時間帯はエレベーター待ちの時間が発生しがちで、不便だと言われます。そのため、マンションごとにエレベーターの稼働方法やルールを工夫したり、エレベーターの台数を多くして混雑緩和に取り組んだりしているケースもあります。ただし、朝の一時的な混雑の緩和とエレベーターの維持コストとのバランスもあり、緩和対策には限界があるのが実状です。⑤上層階ほど固定資産税が高い
以前は低層階も上層階も所有する床面積が同じなら、固定資産税の計算に差はなく、同じ金額でした。しかし、税制改正によって2017年1月2日以後に新築されたタワーマンションでは階層が高くなるにしたがって固定資産税が高くなるようになっています。ただし、もともと高層階ほど価格が高くなる傾向があるため、資産価値と税金のバランスを考えれば、この点は当然かもしれません。 まとめ タワーマンションにはさまざまな特徴があり、そこから生まれる魅力があると同時に、購入時の注意点もあります。たとえば、高層階には眺望という最大の魅力がありますが、隣に同規模のタワーマンションが建つことでそれが失われる可能性もあり得ます。一方、低層階では眺望は望めないものの、上層階と比べた相対的な価格からみると優れた立地や充実した共用部を安く利用でき、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。タワーマンションの購入を検討する際には、普段の暮らし方や災害時などの注意点も念頭に入れつつ、自分たちに合っているのかどうか考えることが大切です。 執筆者:秋津 智幸 不動産サポートオフィス 代表コンサルタント 横浜国立大学卒業後、神奈川県住宅供給公社に勤務。その後不動産仲介会社等を経て、独立。現在は、自宅の購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う。その他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。
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