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共有持分売却はトラブルの元?スムーズに進める方法と注意点を徹底解説

相続や離婚などで、意図せず不動産の「共有持分」を持つことになり、どうすれば良いか悩んでいませんか。他の共有者と意見が合わず、固定資産税の負担だけが続く状況は大きなストレスになります。この記事では、共有持分の売却を考えている方のために、基本的な知識から具体的な売却方法、トラブルを避けるための注意点まで、専門的な内容を分かりやすく解説します。あなたの悩みを解決し、次のステップに進むための手助けとなるはずです。

共有持分売却とは?まずは基本を理解しよう

共有持分の売却を検討する前に、まずは「共有持分」がどのようなものかを正しく理解することが重要です。通常の不動産売却とは異なる点が多く、その特性を知ることがスムーズな売却への第一歩となります。

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共有持分とはそもそも何か

共有持分とは、一つの不動産を複数人で所有している場合の、各所有者が持つ権利の割合のことを指します。例えば、一戸建てを兄弟3人で相続した場合、特別な取り決めがなければ、それぞれが3分の1ずつの共有持分を持つことになります。この権利は、不動産そのものを物理的に分割するものではなく、不動産全体に対する所有権の割合を示すものです。そのため、土地のように分割できるものだけでなく、建物のような物理的に分けられない不動産にも共有持分は存在します。

他の共有者の同意なしで売却できる権利

日本の法律(民法第206条)では、所有者は法令の制限内で、自由にその所有物を使用、収益、処分する権利を有すると定められています。これに基づき、ご自身の「共有持分」だけであれば、他の共有者の同意を得ることなく、第三者に売却することが可能です。不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要ですが、自分の権利の範囲内である持分のみの処分は、個人の判断で行えるのです。

通常の不動産売却との根本的な違い

通常の不動産売却と共有持分売却の最も大きな違いは、売却の対象が「不動産全体」か「権利の一部」かという点です。不動産全体を売却する場合、買主は完全な所有権を手に入れ、自由に利用したり、改築したりできます。しかし、共有持分のみを購入した買主は、他の共有者と共同で不動産を所有することになり、建物の変更や管理行為には他の共有者の同意が必要となるなど、権利の行使に大きな制約を受けます。このため、一般の個人が買い手となることは稀で、売却先は専門の不動産買取業者などに限られるのが実情です。

共有持分を売却する4つの主な方法

共有持分を現金化するには、いくつかの方法があります。ご自身の状況や他の共有者との関係性によって最適な方法は異なります。ここでは代表的な4つの方法と、それぞれの特徴を紹介します。

方法1:他の共有者に買い取ってもらう

最も円満かつスムーズに進む可能性が高いのが、他の共有者に自身の持分を買い取ってもらう方法です。他の共有者にとっては、自身の持分割合が増えることで、不動産に対する権利が強化されるメリットがあります。特に、その不動産に居住している、あるいは将来的に活用したいと考えている共有者がいれば、交渉しやすいでしょう。ただし、相手に買取資金があることが前提となり、売買価格の折り合いをつけることが重要になります。

方法2:専門の不動産買取業者に売却する

他の共有者が買い取りに応じない場合や、交渉自体が難しい場合に有効なのが、共有持分を専門に扱う不動産買取業者に売却する方法です。これらの業者は、共有持分という複雑な権利状態の不動産を買い取り、他の共有者と交渉して最終的に完全な所有権を目指すノハウを持っています。迅速に現金化できるメリットがある一方で、売却価格は市場価格よりも低くなる傾向があります。

方法3:共有者全員で協力して不動産全体を売却する

もし他の共有者も売却に前向きであれば、全員で協力して不動産全体を一般市場で売却するのが最も高く売れる可能性のある方法です。この場合、不動産は完全な所有権として売却されるため、通常の不動産と同じように幅広い買い手を探すことができます。売却で得た代金は、それぞれの持分割合に応じて分配します。成功すれば全員にとってメリットの大きい方法ですが、共有者全員の合意形成が不可欠です。

方法4:共有物分割請求訴訟で解決する

当事者間の話し合いでどうしても解決しない場合の最終手段として「共有物分割請求訴訟」があります。これは、裁判所に申し立てを行い、法的な手続きによって共有状態の解消を求めるものです。裁判所の判断により、不動産を物理的に分割する「現物分割」、特定の共有者が全体を買い取る「価格賠償」、競売にかけて代金を分割する「換価分割」などの方法が命じられます。強制力がある一方で、時間と費用がかかり、共有者間の関係が決定的に悪化する可能性があるため、慎重な検討が必要です。

共有持分を売却するメリット

共有持分を売却することには、金銭的なメリットだけでなく、精神的な負担を軽減する大きなメリットもあります。なぜ売却が有効な解決策となるのか、具体的な利点を見ていきましょう。

共有関係の人間トラブルから解放される

不動産を共有していると、その管理方法や活用方針を巡って共有者間で意見が対立し、人間関係のトラブルに発展することが少なくありません。特に相続で共有者となった親族間では、感情的なしこりが残りやすいものです。自身の持分を売却して共有関係から離れることで、こうした精神的なストレスや将来起こりうるトラブルの火種から解放されます。

まとまった現金を早期に手に入れられる

利用していない不動産であっても、共有持分は財産的価値を持つ資産です。売却することで、その価値を現金という流動性の高い資産に変えることができます。専門の買い取り業者に依頼すれば、比較的短期間で現金化することも可能です。得られた資金は、住宅ローンの返済や教育資金、老後の生活費など、ご自身のライフプランに合わせて自由に活用できます。

固定資産税などの維持費負担がなくなる

不動産を所有している限り、毎年固定資産税や都市計画税が課税されます。また、建物の老朽化に伴う修繕費や、マンションであれば管理費・修繕積立金なども発生します。共有持分を所有しているということは、これらの維持費を持分割合に応じて負担し続ける義務があるということです。持分を売却すれば、こうした将来にわたる継続的な金銭的負担から完全に解放されます。

共有持分を売却するデメリット

共有持分の売却はメリットばかりではありません。通常の不動産売却とは異なるデメリットやリスクも存在します。決断する前に、これらの点を十分に理解しておくことが後悔しないためには不可欠です。

売却価格が市場価格より安くなる傾向がある

共有持分のみを売却する場合、最も大きなデメリットは売却価格が低くなる傾向にあることです。買主は権利が制限された不動産を取得することになるため、そのリスクを価格に反映せざるを得ません。一般的には、不動産全体の市場価格に自身の持分割合を掛けた金額の、さらに3割~5割程度が売却価格の目安と言われています。

一般の買い手を見つけるのが難しい

前述の通り、共有持分を購入しても不動産を自由に使えないため、一般の個人が買主になることはほとんどありません。そのため、売却活動は、共有持分を専門に扱う一部の不動産買い取り業者に限られます。選択肢が少ないため、価格交渉において不利な立場になりやすいという側面もあります。

他の共有者との関係が悪化するリスクがある

他の共有者に十分な説明をしないまま、あるいは反対を押し切って持分を専門業者に売却した場合、関係性が悪化する可能性があります。ある日突然、見ず知らずの業者が新たな共有者として現れれば、他の共有者は不信感や不安を抱くでしょう。その後の業者との交渉次第では、他の共有者が望まない形で不動産を手放さざるを得ない状況になることもあり、親族間に深い溝を残してしまうリスクがあります。

共有持分売却をスムーズに進める5つの手順

共有持分売却は、通常の不動産売却以上に計画的な準備が重要です。ここでは、トラブルを避け、スムーズに手続きを進めるための基本的な5つのステップを解説します。

手順1:登記簿謄本で共有持分の状況を確認する

まず最初に、法務局で対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、正確な権利関係を確認します。誰が、どれくらいの持分割合で共有しているのかを正確に把握することが、すべての交渉と手続きの出発点となります。相続が繰り返されていて、現在の所有者が登記と異なっている場合は、前提として相続登記が必要です(令和6年4月1日から相続登記は義務化されており、相続したことを知った日から3年以内に登記することが法律上義務付けられています)。

手順2:専門の不動産会社に査定を依頼する

次に、共有持分の取り扱いに詳しい不動産会社に査定を依頼します。この査定によって、ご自身の持分がどれくらいの価値を持つのか、客観的な目安を知ることができます。この査定価格は、他の共有者と交渉する際の重要な判断材料にもなります。複数の会社に査定を依頼し、その価格の根拠や売却方針を比較検討することが賢明です。

手順3:他の共有者へ売却の意向を伝える

査定額を把握したら、他の共有者に対して、自身の持分を売却したいという意向を伝えます。この時、感情的にならず、売却したい理由や希望する条件を冷静に説明することが大切です。まずは他の共有者に買い取ってもらえないか打診し、それが難しいようであれば、第三者(専門業者)への売却を検討していることを伝えます。事前の相談が、後のトラブルを防ぐ鍵となります。

手順4:売買契約を締結する

売却先(他の共有者または専門業者)と価格などの条件が合意できたら、売買契約を締結します。契約書には、売買代金、支払い方法、所有権移転の時期などが明記されます。後々のトラブルを避けるためにも、契約内容は細部までしっかりと確認しましょう。特に個人間で売買する場合でも、司法書士などの専門家に依頼して、法的に不備のない契約書を作成することが重要です。

手順5:決済と所有権移転登記を行う

契約で定められた日に、買主から売買代金全額を受け取る「決済」を行います。決済と同時に、所有権が買主に移転したことを公に示すための「所有権移転登記」の手続きを法務局で行います。この登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。決済が完了し、登記が済むと、共有持分の売却手続きはすべて完了となります。

共有持分売却にかかる費用と税金を把握する

共有持分を売却する際には、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や登記費用、税金など、さまざまな諸費用がかかります。事前にどのような費用がどれくらいかかるのかを把握し、資金計画を立てておくことが重要です。

費用の種類 内容 目安
仲介手数料 不動産会社の仲介で売却した場合に支払う成功報酬。 売却価格の3%+6万円+消費税(簡易計算式の場合)
登記費用 所有権移転登記などにかかる費用。登録免許税と司法書士への報酬が含まれる。 数万円~十数万円(売買価格や手続きの複雑さによる)
印紙税 不動産の売買契約書に貼付する印紙代。契約金額に応じて税額が決まる。 5千円~3万円(売買価格500万円超1億円以下の場合)
譲渡所得税・住民税 売却によって利益(譲渡所得)が出た場合に課される税金。 譲渡所得×税率(所有期間により異なる)

仲介手数料

不動産会社を介して他の共有者や第三者に売却した場合に発生します。宅地建物取引業法で上限額が定められており、売買価格が400万円を超える場合、「(200万円×5.5%)+(200万円×4.4%)+(400万円超の部分×3.3%)」が上限となります(簡易計算式として「(売買価格×3%+6万円)+消費税」が用いられることもありますが、厳密には段階的な料率による計算が正確です)。専門の買取業者に直接買い取ってもらう場合は、仲介手数料はかかりません。

登記費用(登録免許税・司法書士報酬)

売却による所有権移転登記には、法務局に納める「登録免許税」と、手続きを代行する司法書士への「報酬」がかかります。また、登記簿上の住所が現住所と異なる場合の住所変更登記や、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記にも別途費用が必要です。

印紙税

不動産の売買契約書は課税文書にあたるため、契約金額に応じた収入印紙を貼付して納税する必要があります。例えば、売買価格が1,000万円超5,000万円以下の契約書であれば、1万円の印紙税がかかります(2027年3月31日までの軽減措置適用後)。

譲渡所得税・住民税

共有持分を売却して得た利益は「譲渡所得」として、所得税と住民税の課税対象となります。譲渡所得は、「売却価格」から「その持分を取得したときにかかった費用(取得費)」と「売却にかかった経費(譲渡費用)」を差し引いて計算されます。税率は不動産の所有期間によって異なり、5年を超えて所有していた場合は税率が低くなります。

共有持分売却で後悔しないための3つのポイント

共有持分の売却は、法律や税金が絡む複雑な取引です。知識不足のまま進めてしまうと、「もっと高く売れたはずなのに」「他の共有者と絶縁状態になってしまった」といった後悔につながりかねません。ここでは、そうした失敗を避けるための重要なポイントを3つ紹介します。

ポイント1:共有持分に強い不動産会社を選ぶ

共有持分の売却は特殊な分野であるため、どの不動産会社でも対応できるわけではありません。必ず、共有持分の買い取りや仲介の実績が豊富な、専門知識を持つ不動産会社に相談しましょう。そうした会社は、適正な査定価格を算出できるだけでなく、法律家と連携して権利関係の整理を行ったり、他の共有者との交渉をサポートしてくれたりする場合もあります。

ポイント2:複数の会社に査定を依頼して比較する

売却を決める前に、必ず複数の専門業者に査定を依頼してください。1社だけの査定では、その価格が適正かどうかを判断できません。複数の査定結果を比較することで、ご自身の持分の相場観を養うことができます。また、査定額だけでなく、各社の担当者の対応や提案内容、売却実績などを総合的に比較し、最も信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。

ポイント3:他の共有者とは冷静に交渉する

共有持分の売却において、他の共有者との関係は非常に重要です。たとえ専門業者に売却する場合でも、事前に売却の意向や理由を誠実に伝える努力をすべきです。感情的な対立は、話し合いをこじらせるだけで何も生みません。売却価格の査定書など客観的な資料を提示しながら、あくまで冷静に、ビジネスライクに交渉を進める姿勢が、円満な解決への近道です。

共有持分売却に関するよくある質問

共有持分の売却を検討していると、さまざまな疑問や不安が出てくるものです。ここでは、特に多く寄せられる質問について、分かりやすくお答えします。

住宅ローンが残っていても売却できますか?

結論から言うと、住宅ローンが残っていても共有持分を売却することは可能です。ただし、売却する不動産に抵当権が設定されている場合、金融機関の承諾なしに持分だけを売却することは通常できません。売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。ローンの残債が持分の売却価格を上回る場合は、自己資金で補填する必要がありますので、まずは金融機関に相談することが重要です。

共有者が行方不明の場合はどうすればいいですか?

共有者の中に連絡が取れない人や行方不明の人がいる場合でも、ご自身の持分だけであれば売却は可能です。不動産全体を売却したい場合は、以下の方法があります。

  • 1. 所在等不明共有者持分譲渡制度:地方裁判所に申し立て、その決定を得て、所在などが不明な共有者の持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡することができます。
  • 2. 不在者財産管理人制度:家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、その管理人が家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で、行方不明者に代わって遺産分割や不動産の売却等を行うことができます。

いずれの方法も法的な専門知識を要するため、弁護士などの専門家への相談が不可欠です。

売却までにかかる期間はどれくらいですか?

売却方法によって期間は大きく異なります。専門の不動産買取業者に直接売却する場合、最短数日から1カ月程度で完了することもあります。一方、他の共有者と交渉する場合は1~3カ月程度が目安ですが、交渉がスムーズにいかない場合はそれ以上にかかる可能性もあります。共有物分割請求訴訟に発展した場合は、さらに長い期間を要します。

まとめ

共有持分売却は、複雑な権利関係や人間関係が絡むため、決して簡単な手続きではありません。しかし、正しい知識を持ち、適切な手順を踏むことで、長年の悩みであった不動産のしがらみから解放され、新たな一歩を踏み出すことが可能です。

重要なのは、一人で抱え込まず、共有持分の取り扱いに長けた信頼できる不動産会社や専門家に相談することです。本記事で解説した内容を参考に、ご自身の状況に最も合った解決方法を見つけ、後悔のない売却を実現してください。


共有持分の売却を検討するにあたり、まずは賃貸運用などの有効活用も含めて相談してみてはいかがでしょうか。

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