
不動産コラム
登記申請書の書き方は?作成手順や法務局への提出方法を解説
家族からの相続やマイホームの購入、あるいは会社の設立など、人生の節目には「登記」という手続きが必要になります。しかし、いざ手続きをしようと調べ始めると、専門用語の多さや書類の複雑さに「自分には無理かもしれない」と不安を感じる方は少なくありません。司法書士に依頼すれば安心ですが、数万円から十万円単位の費用がかかるため、できれば自分で作成して節約したいと考えるのは自然なことです。
この記事では、初めての方でも迷わずに登記申請書を作成できるよう、入手方法から具体的な書き方、誠に提出までの手順を丁寧に解説します。特に間違いやすいポイントを重点的にカバーしているので、読み終える頃には自信を持って書類作成に取り組めるようになります。
登記申請書とは?

登記申請書は、土地や建物、会社などの重要な情報を国のデータベースである「登記簿」に登録するために、法務局へ提出する公式な書類です。この書類に記載された内容に基づいて、誰がその不動産の所有者なのか、あるいはその会社がどのような事業を行っているのかが公示されます。つまり、あなたの大切な財産の権利を守り、取引の安全を確保するための第一歩となる書類なのです。
書類の役割と法的効力
この書類の最大の役割は、権利関係を明確にすることです。例えば、不動産の売買を行った場合、売買契約の時点で当事者間では所有権は移転しますが、登記申請をして名義を変更しなければ、第三者に対して「これは私の土地だ」と法的に主張することができません。申請書を提出し、法務局での審査を経て登記が完了することで、所有権などの権利を第三者に対抗できるようになります。書類に不備があると登記が完了しないため、正確に記載することが求められます。
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主な種類と用途
登記申請書には、目的に応じて非常に多くの種類が存在します。大きく分けると、土地や建物の権利に関する「不動産登記」と、会社や法人の情報に関する「商業・法人登記」の2つです。私たちが日常生活で接する機会が多いのは不動産登記の方でしょう。以下の表に、代表的な申請書の種類とその用途をまとめました。自分の目的がどれに当てはまるかを確認してみてください。
| 申請書の種類 | 主な用途・シチュエーション |
|---|---|
| 所有権移転登記申請書(相続) | 親などが亡くなり、不動産の名義を相続人に変更するとき |
| 所有権移転登記申請書(売買) | 土地や建物を売買し、所有者を変更するとき |
| 抵当権抹消登記申請書 | 住宅ローンを完済し、銀行の抵当権を消すとき |
| 株式会社設立登記申請書 | 新しく会社をつくるとき |
| 役員変更登記申請書 | 会社の取締役や代表取締役が変わったとき |
参考:
不動産登記の申請書様式について:法務局
商業・法人登記の申請書様式:法務局
登記申請書の入手方法は?
手続きを始めるには、まず適切な様式(テンプレート)を手に入れる必要があります。昔は法務局の窓口まで行って紙を取得することが一般的でしたが、現在はインターネットを活用する方法が主流です。自分にとって準備しやすい方法を選んでください。
法務局HPからのダウンロード
最も効率的でおすすめなのが、法務局の公式ウェブサイトからダウンロードする方法です。サイト内には「不動産登記の申請書様式」や「商業・法人登記の申請書様式」というページがあり、ほぼ全てのパターンのひな形が用意されています。ファイル形式もWord、一太郎、PDFから選べるため、自宅のパソコンで入力して印刷すれば、きれいで読みやすい申請書が簡単に完成します。手書きの手間も省けるうえ、書き損じた時の修正も容易です。
窓口での用紙受け取り
パソコンやプリンターが自宅にない場合は、管轄の法務局の窓口へ直接行って用紙をもらうことも可能です。窓口には「登記相談」のコーナーが設けられていることも多く、どの用紙を使えばいいか迷った際に職員の方に確認できるというメリットがあります。ただし、法務局は平日しか開いていないことが多いため、仕事などで時間が取れない方にとってはハードルが高いかもしれません。その場合は、コンビニエンスストアのプリントサービスを利用して、スマホからダウンロードした様式を印刷する方法も検討してください。
登記申請書の書き方は?【不動産登記・相続編】

ここからは、最もニーズの高い「相続による所有権移転登記(相続登記)」を例に、具体的な書き方を解説します。基本的な構造は他の登記でも共通しているため、一つ一つの項目の意味を理解しながら進めていきましょう。まずはA4用紙を用意し、横書きで作成します。
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登記の目的
用紙の冒頭には、この申請で何を変えたいのかを明確に示します。相続によって不動産の名義を変える場合は「所有権移転」と記載します。もし、亡くなった方と誰かが共有していた不動産で、亡くなった方の持ち分だけを相続する場合は、「〇〇(被相続人の氏名)持分全部移転」と書きます。ここは登記簿の権利部にどう記録されるかを決める重要な部分ですので、正確な用語を使う必要があります。
原因
次に、権利が移動した日付と理由を書きます。相続の場合、原因は「相続」となり、日付は「被相続人が亡くなった日」を記載します。これは戸籍謄本に記載されている死亡日と完全に一致している必要があります。売買の場合は「売買」とし、契約日や代金決済日など、所有権が移転した日を記載することになります。日付が一日でもずれていると受け付けてもらえないため、手元の資料をよく確認してください。
権利者と義務者
ここには、登記によって権利を得る人と失う人の情報を書きます。相続登記の場合、申請人(権利者)は「不動産を相続する人」の住所・氏名・電話番号を記載します。住所と氏名は、住民票の記載通りに正確に書くことが鉄則です。なお、通常の相続登記では「義務者(亡くなった人)」の記載は不要で、代わりに「被相続人〇〇(氏名)」と記載するのが一般的です。売買の場合は、買主が権利者、売主が義務者となり、双方が共同で申請する形をとります。申請人の氏名の横には、実印(または認印)を鮮明に押印します。
添付情報
申請書の内容が真実であることを証明するための書類をリストアップします。相続登記であれば、「登記原因証明情報」(戸籍謄本や遺産分割協議書など)や、「住所証明情報」(新しく名義人になる人の住民票)などがこれに当たります。申請書には、単に「登記原因証明情報」「住所証明情報」と項目名を記載するだけで構いません。実際に提出する際には、これらの書類を申請書と一緒に束ねて提出することになります。
不動産の表示
最後に、どの不動産について登記するのかを特定する情報を記載します。ここは絶対に間違いが許されない部分です。書くべき内容は「登記事項証明書(登記簿謄本)」に記載されている通りの正確な情報です。以下の表にある項目を、一字一句間違えないように転記してください。
| 項目 | 土地の場合の記載例 | 建物の場合の記載例 |
|---|---|---|
| 不動産番号 | 1234567890123 | 1234567890123 |
| 所在 | 〇〇市〇〇町一丁目 | 〇〇市〇〇町一丁目 |
| 地番/家屋番号 | 23番4 | 23番4 |
| 地目/種類 | 宅地 | 居宅 |
| 地積/床面積 | 123.45㎡ | 1階50.00㎡ 2階40.00㎡ |
登記申請書の提出方法は?
申請書と添付書類が揃ったら、いよいよ法務局への提出です。提出先は、その不動産や会社がある地域を管轄する法務局に限られます。どこでも良いわけではないので、事前に法務局のホームページで「管轄」を調べておきましょう。提出方法は大きく分けて3つのパターンがあります。
窓口への持参
作成した書類一式を持って、管轄の法務局の「不動産登記部門」などの窓口に直接提出する方法です。この方法の最大のメリットは、その場で形式的な不備がないか、職員の方にざっと確認してもらえる可能性がある点です。書類を受け取ってもらえれば、あとは審査結果を待つだけです。審査完了予定日(補正日)を伝えられるので、その日以降に登記識別情報(権利証のようなもの)を受け取りに行きます。
郵送による提出
平日に時間が取れない方におすすめなのが郵送です。普通の郵便ではなく、必ず「書留郵便」または「レターパックプラス(赤色)」を使って送ります。封筒の表面には赤字で「不動産登記申請書在中」と記載しましょう。また、完了後の書類を郵送で返送してほしい場合は、返信用の封筒(宛名を書き、書留分の切手を貼ったもの)を同封しておくことを忘れないでください。
オンライン申請
自宅のパソコンからインターネット経由で申請データを送信する方法です。専用のソフトをインストールし、マイナンバーカードなどの電子署名を使って申請します。最大のメリットは、24時間いつでも送信できる点や、登録免許税(手数料)がネットバンキングで納付できる点です。しかし、事前の環境設定がやや複雑で、電子署名の読み取り機材なども必要なため、一度きりの申請であれば紙での提出の方が手軽かもしれません。
登記申請書作成の注意点は?

最後に、申請書を作成する際に特に気をつけてほしいポイントをお伝えします。法務局の審査は厳格で、ささいなミスでも「補正(訂正)」を求められます。何度も法務局に足を運ぶことにならないよう、提出前に以下の点を必ずチェックしてください。
訂正方法のルール
もし書き損じてしまった場合、修正液や修正テープを使うのは厳禁です。公文書として認められなくなってしまいます。間違えた箇所に二重線を引き、その線にかかるように訂正印を押し、近くに正しい文字を記入します。パソコン作成であれば印刷し直すのが最も確実で安全です。
契印のルール
申請書が複数枚にわたる場合は、バラバラにならないようにホッチキスで留めた後、ページとページの継ぎ目に「契印(割印)」を押す必要があります。これは、後からページが差し替えられるのを防ぐためです。申請書に使った印鑑と同じものを、ページを見開いた状態で両方のページに印影がかかるように押します。
まとめ
ここまでの内容で、登記申請書の作成は決して不可能なミッションではないことがお分かりいただけたでしょうか。
この記事の要点をまとめます。
- 登記申請書は法務局ホームページからひな形をダウンロードし、パソコン作成するのが効率的です。
- 記載内容は「登記簿謄本」や「住民票」などの一次情報と完全に一致させる必要があります。
- 提出は郵送でも可能ですが、不備のリスクを減らすなら窓口相談や事前チェックを活用しましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、手順通りに進めれば確実に完了できますので、ぜひチャレンジしてみてください。
不動産の登記手続きに伴い、売却や相続をご検討中の方は、まず適正な価格を把握することが重要です。大和ハウスリアルエステートでは、大和ハウスグループの豊富な実績をもとに、無料で正確な査定を実施しております。登記に関する手続きから売却までトータルでサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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