
不動産コラム
家を売る手順と注意点は?初めてでも失敗しない売却の流れを解説
家を売るという経験は、人生の中でそう何度も訪れるものではありません。多くの人にとって初めての経験であり、動く金額も大きいため、失敗したくないと強く願うのは当然のことです。しかし、具体的な手順や費用、注意点を十分に理解しないまま売却活動を始めてしまい、思うような結果が得られないケースも少なくありません。大切な資産を納得のいく条件で手放すためには、売却の全体像を把握し、適切なタイミングで適切な判断を下すことが不可欠です。この記事では、不動産売却の基礎知識から具体的なステップ、信頼できるパートナーの選び方までを詳しく解説します。これから売却を検討されている方が、安心して次のステップへ進むための道しるべとなれば幸いです。
家を売る基本的な流れと期間
家を売るプロセスは、一般的に売却の検討を始めてから物件の引き渡しが完了するまで、およそ3カ月から6カ月程度の期間を要します。スムーズに売却を進めるためには、まず全体の流れを時系列で把握しておくことが大切です。ここでは、売却活動を5つのステップに分けて、それぞれの段階で何を行うべきかを具体的に見ていきます。
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売却相談から査定依頼を行う準備段階
売却活動の第一歩は、自分自身の売却理由と希望条件を整理することから始まります。いつまでに売りたいのか、いくら以上で売りたいのか、売却資金を何に充てるのかといった計画を明確にします。方針が固まったら、不動産会社へ査定を依頼します。現在はインターネットを活用して複数の会社へ一度に査定を依頼できるサービスも普及しており、これらを活用することで概算の相場を把握しやすくなります。査定には、机上でのデータに基づいた簡易査定と、実際に担当者が現地を訪れて物件の状態を確認する訪問査定があります。より正確な価格を知るためには、訪問査定を受けることが推奨されます。
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不動産会社との媒介契約締結
査定結果が出揃い、依頼したい不動産会社が決まったら、売却活動を正式に依頼するための媒介契約を結びます。この契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。一般媒介契約は複数の会社に同時に依頼できる自由度がありますが、報告義務などのサポートが手薄になる可能性があります。一方で、専任媒介契約や専属専任媒介契約は1社のみに依頼する形式で、不動産会社からの定期的な活動報告が義務付けられており、手厚いサポートが期待できます。自身の状況や物件の特性に合わせて、最適な契約形態を選ぶことが重要です。
売り出し開始から購入希望者への対応
媒介契約を締結すると、いよいよ売却活動がスタートします。不動産会社はレインズ(指定流通機構)への物件登録や、不動産ポータルサイトへの広告掲載、チラシの配布などを行い、購入希望者を募ります。購入検討者が現れると、実際に物件の中を見学する内覧が行われます。この内覧は、購入希望者が購入を決断するための非常に重要な機会です。売主としては、部屋の清掃や整理整頓を行い、明るく清潔感のある状態で迎え入れる準備が必要です。また、居住中の売却であれば、生活感が出すぎないように配慮し、購入希望者からの質問には誠実に答える姿勢が求められます。
売買契約の締結と手付金の受領
購入希望者から購入申し込(買付証明書)が提出され、価格や引き渡し時期などの条件交渉がまとまると、不動産売買契約を締結します。契約時には、宅地建物取引士から重要事項説明が行われ、売主と買主の双方が契約書に署名・捺印を行います。この際、売主は買主から手付金を受け取ります。手付金は一般的に売買価格の5%から10%程度で設定されることが多く、契約の証として授受されるものです。一度契約を締結すると、以降のキャンセルには違約金が発生する場合があるため、契約内容は慎重に確認する必要があります。
決済と物件の引き渡し完了
売買契約の締結後、買主の住宅ローン審査の承認などを経て、最終的な決済と引き渡しの日を迎えます。決済日には、銀行などの金融機関に売主、買主、不動産会社の担当者、司法書士が集まり、残代金の受領と同時に所有権移転登記の手続きを行います。また、固定資産税や都市計画税の日割り精算、管理費などの精算もこのタイミングで行われます。すべてのお金のやり取りが完了し、鍵を買主に引き渡した時点で、売却の手続きはすべて終了となります。
家を売るために必要な費用と税金
家を売ると、売却代金がすべて手元に残るわけではありません。売却活動にはさまざまな費用がかかり、場合によっては税金も発生します。資金計画を立てる際には、これらの支出をあらかじめ見込んでおくことが重要です。
仲介手数料や印紙税などの諸費用一覧
不動産売却にかかる主な費用には、不動産会社に支払う仲介手数料、売買契約書に貼付する印紙税、登記手続きにかかる費用などがあります。特に仲介手数料は費用の大部分を占めるため、事前に概算を把握しておく必要があります。以下に、一般的な費用の目安をまとめました。
| 費用の項目 | 内容と目安の金額 | 支払うタイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3.3%+6.6万円(速算式)が上限。成約時に発生する成功報酬です。 | 契約時と引き渡し時に半金ずつ、または引き渡し時に全額 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙代。契約金額により異なり、1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減措置適用時)。 | 売買契約締結時 |
| 登記費用 | 抵当権抹消登記や住所変更登記にかかる登録免許税と、司法書士への報酬。数万円程度が目安。 | 決済・引き渡し時 |
| 引越し費用 | 家具や家財の運搬費用。時期や距離、荷物量により変動します。 | 引き渡し前 |
| 測量費用 | 隣地との境界が未確定の場合に必要。土地家屋調査士に依頼し、数十万円かかることがあります。 | 引き渡し前まで |
利益が出た場合にかかる譲渡所得税の仕組み
家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税が課税されます。これを譲渡所得税と呼びます。譲渡所得は、単に売却価格から購入価格を引いたものではなく、購入時の諸費用や売却時の諸費用を差し引いて計算します。また、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」か、5年以下の「短期譲渡所得」かによって税率が大きく異なります。長期譲渡所得の方が税率は低く設定されているため、売却のタイミングを検討する際の重要な要素となります。なお、マイホーム(居住用財産)を売却した場合には、利益から最大3,000万円を控除できる特例があり、これを利用すれば税金がかからないケースも多くあります。
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住宅ローン残債がある場合の抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている家を売る場合、売却代金などでローンを完済し、金融機関が設定している抵当権を抹消しなければなりません。抵当権がついたままの不動産を売却することは原則としてできないためです。抵当権の抹消には、登録免許税(不動産1個につき1,000円)と、手続きを代行する司法書士への報酬が必要です。通常、これらの費用は決済時に清算されます。もし売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の状態になる場合は、自己資金で差額を補填するか、金融機関と相談して任意売却を検討する必要があります。
家を売る2つの方法「仲介」と「買い取り」の違い
不動産を売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買い取り」の2つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況や優先順位に合わせて適切な方法を選ぶことが成功の鍵となります。
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高く売りたい場合に適した仲介売却の特徴
仲介売却は、不動産会社に媒介を依頼し、一般の個人などの買主を探してもらう方法です。市場相場に近い価格で売れる可能性が高いため、手元に残るお金を少しでも多くしたい場合に適しています。しかし、いつ売れるか、いくらで売れるかが確約されていないため、資金計画が立てにくいという側面があります。また、購入希望者の内覧対応が必要であり、売却完了までに数カ月の時間を要することが一般的です。時間に余裕があり、納得のいく価格で売りたい方に向いている方法と言えます。
早く現金化したい場合に適した買い取りの特徴
買い取りは、不動産会社が直接その物件を買い取る方法です。買主を探す活動が不要なため、価格さえ合意すれば、最短で数日から数週間という短期間で現金化することができます。また、仲介手数料がかからないケースが多く、内覧対応の手間や、売却後の契約不適合責任を免除されるなどのメリットもあります。ただし、買い取り価格は市場相場の7割から8割程度になることが一般的です。これは、不動産会社が買い取った後にリフォームなどを行い、再販するための費用や利益を見込む必要があるためです。転勤や相続などで期限が決まっている場合や、周囲に知られずに売却したい場合に適した選択肢です。
家を高く売るために重要な不動産会社の選び方
家を売る際のパートナーとなる不動産会社の選び方は、売却の結果を大きく左右します。大手だから安心、近所だから便利といった理由だけで決めるのではなく、実力と信頼性をしっかり見極める必要があります。
複数の会社に査定を依頼して比較検討する
1社だけの査定結果を見て売却を決めてしまうのは避けるべきです。不動産の査定価格には明確な定価がなく、会社によって数百万円の差が出ることも珍しくありません。複数の会社に査定を依頼することで、自分の家の適正な相場観を養うことができます。比較する際は、単に査定額が高い会社を選ぶのではなく、その価格が市場の動向と照らし合わせて現実的かどうかも考慮します。極端に高い査定額を提示して契約を取ろうとする会社には注意が必要であり、複数の意見を聞くことでそのようなリスクを回避することができます。
査定価格の根拠と担当者の対応力を確認する
査定書が届いたら、なぜその価格になったのかという根拠を詳しく聞くことが大切です。近隣の取引事例や市場の需給バランス、物件の長所と短所を論理的に説明できる担当者は信頼できます。また、担当者の熱意やコミュニケーション能力も重要な判断基準です。売却活動は数カ月におよぶ共同作業であり、報告連絡がスムーズか、こちらの不安に寄り添った提案をしてくれるかといった相性は無視できません。知識が豊富で、かつ親身になって相談に乗ってくれる担当者に出会えると満足のいく売却につながります。
家を売る際に注意すべきポイント
不動産売却には予期せぬトラブルがつきものです。契約後の紛争や、思うように売れないといった事態を避けるために、事前に押さえておくべき注意点があります。
契約不適合責任を理解してトラブルを防ぐ
契約不適合責任とは、引き渡した物件が契約内容と適合しない場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。以前は瑕疵担保責任と呼ばれていました。例えば、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害、設備の故障などが見つかった場合、売主は補修費用を請求されたり、契約解除を求められたりする可能性があります。トラブルを防ぐためには、物件の不具合や欠陥を知っている限り全て告知書(付帯設備表や物件状況確認書)に記載し、買主に伝えておくことが不可欠です。隠して売却すると、後で大きな問題に発展するため、正直な情報開示が自分自身を守ることにつながります。
内覧時の印象を良くするための事前準備
購入検討者が物件を見学する内覧は、購入の決断を左右する最大の山場です。どれほど条件が良い物件でも、室内が汚れていたり、物が溢れていたりすると、購入意欲は大きく低下します。玄関の靴を整理する、水回りのカビや汚れを落とす、カーテンを開けて部屋を明るくするといった基本的な対策を行うだけでも、印象は劇的に変わります。また、室内の換気を十分に行い、生活臭を消すことも大切です。可能であれば、不用品を処分して部屋を広く見せる工夫をすることで、買主が新生活をイメージしやすくなり、成約率の向上につながります。
まとめ
家を売る手順は、事前の準備から引き渡しまで多岐にわたりますが、流れを正しく理解し、信頼できる不動産会社と協力することで、納得のいく取引は十分に可能です。費用や税金の仕組みを把握し、自分に合った売却方法を選択することは、大切な資産を守ることにもつながります。焦らず慎重に、まずは情報の整理と査定依頼から一歩を踏み出してみましょう。
家を売ることを検討中なら、まずは賃貸に出した場合の賃料査定も行い、売却と比較検討してみてはいかがでしょうか。
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所有物件の可能性を広げるために、ぜひご活用ください。

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