
不動産コラム
戸建て売却の流れと費用は?失敗しない手順と高く売るコツを解説
大切な我が家を手放すとき「何から始めればいいのか」「いくらで売れるのか」と不安を感じる方は少なくありません。戸建ての売却は人生で何度も経験するものではないため、正しい手順や知識を持たずに進めると、思わぬ損失やトラブルにつながる可能性があります。この記事では、不動産売却が初めての方に向けて、売却完了までの流れや費用の内訳、および少しでも高く売るためのポイントを分かりやすく解説します。読み終える頃には、自信を持って売却の一歩を踏み出せるようになっているはずです。
戸建て売却の基本的な流れと期間は?

戸建てを売却する場合、一般的には検討を始めてから引き渡しが完了するまでに、およそ3カ月から6カ月程度の期間がかかります。マンションと比較して、戸建ては土地や建物の個別性が強いため、買い手が見つかるまでに時間がかかる傾向があります。全体像を把握しておくことで、焦らず計画的に進めることができます。売却完了までのプロセスは、大きく分けて4つのステップで進行します。
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売却準備から査定依頼まで
最初のステップでは、売却の目的や希望条件を整理し、物件の相場を把握することから始めます。住宅ローンの残債がある場合は、金融機関に残高証明書を請求し、売却代金でローンを完済できるかを確認する必要があります。また、隣地との境界が確定しているかどうかも重要な確認事項です。準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼します。一社だけの査定では適正価格が判断できないため、複数社に依頼して比較検討することをお勧めします。
媒介契約と売却活動の開始
査定結果に納得し、信頼できる不動産会社が決まったら「媒介契約」を結びます。これは不動産会社に売却の仲介を正式に依頼する契約です。契約締結後、不動産会社はレインズ(指定流通機構)への登録や、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシ配布などの販売活動を開始します。この期間中、売主さまは購入希望者の内覧対応を行う必要があります。週末を中心に内覧の予約が入ることが多いため、スケジュールを調整しやすい状態にしておくことが望ましいです。
売買契約の締結と手付金
購入希望者が現れ、価格や引き渡し時期などの条件が折り合えば、売買契約を締結します。契約時には、宅地建物取引士から重要事項説明を受け、契約書に署名・捺印を行います。このタイミングで、買主さまから手付金(一般的に売却価格の5〜10%程度)を受け取ります。この手付金は、契約を証するものとして授受されますが、万が一売主さまの都合で契約を解除する場合には、手付金の倍額を買主さまに支払う必要があるため注意が必要です。
決済と引き渡しの手続き
売買契約から1カ月〜2カ月後を目安に、決済と引き渡しを行います。買主さまから残代金を受け取り、同時に物件の所有権移転登記手続きや鍵の引き渡しを実施します。住宅ローンが残っていた場合は、受け取った代金でローンを一括返済し、抵当権の抹消手続きも同日に行います。これですべての取引が完了となりますが、売却によって利益が出た場合は、翌年の2月から3月の間に確定申告を行う必要があります。
戸建て売却にかかる費用と税金は?
不動産を売却すると、売れた金額がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や税金などの諸費用が差し引かれるため、これらをあらかじめ計算に入れておくことが重要です。一般的に、諸費用の合計は売却価格の4%〜6%程度が目安と言われています。ここでは、具体的にどのような費用が発生するのかを解説します。
| 費用の項目 | 概要と目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬。上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」。 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙代。契約金額により1万円〜6万円程度(軽減措置あり)。 |
| 登記費用 | 抵当権抹消や住所変更登記にかかる登録免許税と司法書士報酬。2万円〜5万円程度。 |
| 譲渡所得税 | 売却益が出た場合にかかる税金。所有期間により税率が異なる。 |
| その他 | 測量費、解体費、ハウスクリーニング費、引っ越し費用などが必要に応じて発生。 |
仲介手数料と印紙税の目安
売却費用の中で最も大きな割合を占めるのが仲介手数料です。これは成功報酬であるため、売買契約が成立しなければ支払う必要はありません。法律で上限額が定められており、売却価格が400万円を超える一般的なケースでは「売却価格の3%+6万円+消費税」という速算式で算出されます。また、売買契約書には収入印紙を貼付する必要があり、これを印紙税と呼びます。契約金額によって税額は異なりますが、現在は軽減措置が適用されるケースが多くなっています。
登記費用とその他の諸経費
物件に住宅ローンが残っている場合、引き渡し時に抵当権を抹消するための登記費用がかかります。通常は司法書士に依頼するため、登録免許税の実費に加え、1万円〜2万円程度の報酬が必要です。また、土地の境界が不明確な場合は測量士による境界確定測量が必要となり、これには数十万円の費用がかかることがあります。その他にも、建物内に残った不用品の処分費や、引っ越し費用、必要に応じてハウスクリーニング費用なども予算として見ておく必要があります。
売却益が出た場合の譲渡所得税
家を売って利益(譲渡所得)が出た場合には、所得税と住民税が課税されます。この税率は、物件を所有していた期間によって大きく異なります。所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」の場合は約39.6%、5年を超える「長期譲渡所得」の場合は約20.3%の税率が適用されます。ただし、マイホーム(居住用財産)を売却した場合には、利益から最大3,000万円まで控除できる特例などが用意されており、これを利用することで税額をゼロにできるケースも多くあります。特例の利用には確定申告が必須となるため、忘れずに手続きを行いましょう。
自分の家はいくら?査定額の決まり方
不動産会社が提示する査定額は「およそ3カ月程度で売却可能」と予測される価格です。この価格は担当者の勘で決まるものではなく、明確な根拠に基づいて算出されます。戸建ての場合、マンションとは異なり「土地」と「建物」を別々に評価し、その合計額を査定価格とするのが一般的です。それぞれの評価ポイントを理解しておくと、査定書の内容をより深く理解できるでしょう。
土地の価格を決める要因
土地の査定では、近隣の取引事例(いくらで売れたか)をベースに、その土地固有の条件を加味して価格を調整します。評価が高くなるポイントとしては、駅からの距離が近いこと、南向きで日当たりが良いこと、前面道路が広く整形地(四角い土地)であることなどが挙げられます。逆に、駅から遠い、間口が狭い、土地の形がいびつである、道路との高低差があるといった条件は、建築のしやすさに影響するためマイナス評価となる可能性があります。
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建物の価値と耐用年数の関係
建物部分の査定は、再度同じ建物を建てた場合にかかる費用(再調達原価)から、経過年数による劣化分を差し引く「原価法」という手法が主に用いられます。木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており、実務上の査定でも築20年を超えると建物の価値はほぼゼロと見なされることが多いのが現状です。ただし、近年はリフォームやメンテナンスの履歴が適切に評価されるケースも増えており、長期優良住宅などの認定を受けている場合はプラスに働くこともあります。
机上査定と訪問査定の違い
査定には大きく分けて「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は、立地や築年数、過去のデータなどのデータのみで概算価格を出す方法で、早ければ当日中に結果が分かります。一方、訪問査定は担当者が実際に現地を訪れ、室内の状態や日当たり、周辺環境などを詳細にチェックして価格を算出する方法です。より正確な価格を知りたい場合や、本格的に売却を進める段階では、訪問査定を受けることが不可欠です。
信頼できる不動産会社の選び方は?

戸建て売却の成否は、依頼する不動産会社、さらには担当者の力量に大きく左右されます。どんなに素晴らしい物件でも、販売戦略が悪ければ売れ残ってしまいますし、逆に条件が悪くても、担当者の熱意とスキルで早期売却が実現することもあります。数ある不動産会社の中から、自分に合ったパートナーを見つけるための視点をご紹介します。
大手と地域密着型の違い
不動産会社には、全国展開している、いわゆる「大手」不動産会社と、特定のエリアに強い「地域密着型」不動産会社があります。大手は豊富な顧客リストや広告予算を持ち、広範囲から購入希望者を集める力に長けています。また、保証サービスなどが充実している点も安心材料です。一方、地域密着型は地元の情報に精通しており、学区の評判やスーパーの利便性など、地域独自の魅力を細やかにアピールできます。どちらが良いとは一概に言えませんが、両方のタイプの会社に査定を依頼し、比較してみるのが賢明な方法です。
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媒介契約の種類と選び方
| 契約の種類 | 特徴 | おすすめのケース |
|---|---|---|
| 一般媒介契約 | 複数の会社に同時に依頼可能。競争原理が働くが、報告義務がない。 | 人気エリアの物件や、自分で広く情報を拡散したい場合。 |
| 専任媒介契約 | 1社のみに依頼。2週間に1回以上の報告義務あり。自分で買主を探すことも可能。 | バランス良くサポートを受けたい場合。最も一般的な契約。 |
| 専属専任媒介契約 | 1社のみに依頼。1週間に1回以上の報告義務あり。自己発見取引は不可。 | 手厚いサポートを受け、早期売却を目指したい場合。 |
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担当者の力量を見極める方法
会社選び以上に重要なのが、実際に担当してくれる営業マンの質です。査定時の説明を聞く際は「なぜこの査定額になったのか」という根拠を論理的に説明できるか、こちらの質問に対してメリットだけでなくデメリットも正直に答えてくれるかを確認しましょう。また、類似物件の売却実績や、具体的な販売戦略(どのようなターゲット層に、どうアプローチするか)を提案できる担当者は信頼できます。レスポンスの早さや丁寧さも、今後の円滑な取引には欠かせない要素です。
戸建てを少しでも高く売るコツは?
大切な資産である家を売るなら、少しでも高く、良い条件で売りたいと願うのは当然のことです。相場を無視した高値で売り出すのは逆効果ですが、適切な準備と戦略を持つことで、物件の魅力を最大限に引き出し、購入希望者の購買意欲を高めることは可能です。ここでは、売主さま自身ができる具体的な工夫について解説します。
内覧時の印象を良くする工夫
購入希望者が物件を購入するかどうかは、内覧時の第一印象でほぼ決まると言っても過言ではありません。特に玄関、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、リビングの清潔感は非常に重要です。内覧前には換気を行ってニオイを消し、照明をすべてつけて部屋を明るく見せましょう。また、庭の雑草を抜いておく、カーテンを開けて開放感を出すといった細やかな配慮も効果的です。生活感を消しすぎず、かつ片付いた状態を作ることで「ここで暮らすイメージ」を持ってもらいやすくなります。
測量と越境確認の重要性
古い戸建ての場合、隣地との境界が曖昧なままであるケースが少なくありません。境界が確定していない物件は、購入後にトラブルになるリスクがあるため、買主さまから敬遠されたり、値引きの材料にされたりすることがあります。売却前に土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を行い、確定測量図を作成しておくと、買主さまへの安心材料となり、スムーズな取引につながります。また、隣家の木の枝や屋根が越境している場合も、事前に覚書を交わすなどの対策が必要です。
売り出し価格の設定戦略
売り出し価格は、売却活動のスタートダッシュを決める重要な要素です。一般的には、成約価格から逆算して、少し高めの価格設定(チャレンジ価格)でスタートし、一定期間反応がなければ段階的に価格を見直すという戦略が取られます。ただし、最初から相場とかけ離れた高値を設定してしまうと、物件情報が新鮮な時期に誰にも見向きもされず、「売れ残り物件」というレッテルを貼られてしまうリスクがあります。担当者と相談し、競合物件の状況を見極めながら、戦略的な価格設定を行いましょう。
戸建て売却でよくある失敗と対策

不動産売却には、知っておかなければ防げない失敗のリスクが潜んでいます。多くの売主さまが陥りがちな失敗パターンを事前に把握しておくことで、トラブルを未然に回避し、納得のいく取引を実現することができます。ここでは代表的な3つの失敗事例と、その対策について解説します。
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売り急いで安く売ってしまう
「転勤までに売りたい」「新しい家の支払い期限が迫っている」など、時間の制約がある場合、足元を見られて相場よりも大幅に安い価格で売らざるを得なくなることがあります。このような事態を避けるためには、スケジュールに余裕を持って動き出すことが鉄則です。もし期限が決まっている場合は、一定期間は通常の仲介で販売し、それでも売れなければ不動産会社に買い取ってもらう「買取保証」サービスの利用を検討するなど、二段構えの計画を立てておくと安心です。
【紹介サービス】買取保証サービス仲介
契約不適合責任でのトラブル
引き渡し後に、雨漏りやシロアリ被害、設備の故障などの不具合が見つかった場合、売主さまは「契約不適合責任」を問われ、補修費用の請求や契約解除を求められる可能性があります。これを防ぐためには、物件の不具合や欠陥を隠さずにすべて告知書(付帯設備表・物件状況等報告書)に記載し、買主さまに説明することが重要です。また、売却前に専門家による建物状況調査(インスペクション)を実施し、建物の状態を明らかにしておくことも、トラブル回避に有効な手段です。
資金計画の見通しが甘い
「査定額=手元に残るお金」と勘違いして資金計画を立ててしまうと、後になって資金不足に陥ることがあります。前述の通り、売却には仲介手数料や税金などの諸費用がかかります。また、住宅ローンの残債が売却額を上回る「オーバーローン」の状態では、手持ち資金を持ち出さなければ売却自体ができません。売却を検討し始めた段階で、諸費用を含めた手取り額を厳密にシミュレーションし、住み替え先の購入予算や引っ越し費用などを現実的な範囲で計画することが成功の鍵です。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 戸建て売却は「準備・査定」から「引き渡し」まで3〜6カ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。
- 売却益が出た場合は譲渡所得税がかかりますが、マイホーム売却の3,000万円特別控除などを利用すれば節税が可能です。
- 成功の鍵は、複数社の査定を受けて信頼できる不動産会社を選び、内覧対策や境界確認などの事前準備を徹底することです。
戸建ての売却は、金額が大きく手続きも複雑ですが、正しい手順を踏めば決して怖いものではありません。まずは自分の家がいくらで売れるのか、現状の相場を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。信頼できるパートナーを見つけ、あなたの新しい生活への第一歩が良い形で踏み出せることを願っています。
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