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015

任意売却とは?
任意売却のメリットと注意点

「任意売却」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
任意売却とは、通常の売却とは異なった不動産の売却方法で、
金融機関などで住宅ローンを組んで不動産を購入したものの、
ローンの返済が困難になった場合、競売にかけられてしまう前に売却することです。
ここでは、任意売却について詳しく説明します。

任意売却とは

任意売却とは、債権者(借入先の金融機関や借主に代わって貸主にローンを返済した保証会社)の同意を得た上で一定の条件で抵当権等を抹消してもらい、債務者(ローンを借りた人)が任意に抵当権等の設定された不動産を売却する方法です。

通常、債務者がローンの返済に窮し、その不動産を売却してもローン残高が多くて完済できない上、残債を支払えない場合は抵当権等を抹消してもらえないため、不動産の売却ができません。
しかし、任意売却であれば債権者の了承を得ることで売却が可能となります。

ただし、住宅ローンの場合、滞納が重なり「期限の利益喪失」後、保証会社が代位弁済した状況にならなければ、任意売却を行うことはできません。
期限の利益喪失とは、ローンの分割払いができなくなることで、喪失後は残債を一括払いしなければならなくなります。

債務者が返済を滞納して物件の差し押さえや競売にかけられる事態となる前に、債権者である金融機関の許可を得て任意売却することにより、競売にかける場合よりも市場に近い価格で売却できる可能性が高くなります。
金融機関側としては、少しでも多く資金を回収したいと考えるため、競売前に任意売却を認める場合があります。

競売にかけられた場合は強制的に売却されますが、任意売却の場合は所有者の意思で、ある程度自由に売ることができるという意味で“任意”という言葉が使われています。

任意売却のメリット

任意売却には以下のようなメリットがあります。

<競売よりも高く売却できる可能性が高い>

任意売却の具体的な売却方法は、一般的な仲介による売却とあまり変わらないため、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高くなります。従って競売による売却よりも高く売却できることが多いといえます。

<経済事情が周囲に把握されるリスクが少ない>

競売では、誰もが閲覧できる状態で物件情報が公開されるだけでなく、「競売」という方法で売却されていることから売主(所有者)の経済的な事情が厳しいことを周囲に知られてしまいます。
一方、任意売却では一般的な物件売却と変わらないため、競売情報ほど細かい情報は公開されず、公開された物件情報だけで売主の経済事情まで把握することはできません。

<売却にかかる費用を売却代金から捻出できる>

任意売却では、債権者との交渉次第で売却にかかる費用を売却代金から支払うことができたり、引っ越し代を確保できたりする可能性があります。
競売でもこうした費用について落札者と交渉可能だと言われますが、強制執行まで申し立てされた場合は難しくなるため、任意売却に比べると費用を確保できる可能性が非常に低くなります。

<競売を止めることができる>

競売の開札日(入札開始日)の前日までに任意売却できれば、競売の実行を止めることができます。ローンの返済が何カ月も滞り、期限の利益喪失となると、債権者は資金回収のために不動産の競売申し立てを行います。
競売の申し立てが裁判所に認められると、不動産は差し押えられ、基本的に売却できなくなりますが、債権者が認めた任意売却であれば可能です。

任意売却の注意点

任意売却を検討する場合、以下のような注意点を確認しておく必要があります。

<債権者である金融機関の同意を得られるか>

任意売却は、ローンを債権者に一括して返済する必要がありますが、一部債務免除とせざるを得ないケースもあるため、債権者の同意なしではできません。特に、債権額(ローンの残高)を大幅に下回るような価格では、売却自体を認めてもらえません。
また、任意売却では売却代金の配分も任意となるため、2つ以上の金融機関からローンを借りている場合は、すべての金融機関から同意を得なければなりません。

<ローン以外の債権で差し押さえられていないか>

「税金を滞納していて、物件が差し押さえられた」など、住宅ローンの支払いが滞っていること以外の理由で差し押さえがある場合、任意売却はできません。この場合、購入者が正常な権利で引き渡しを受けることができないためです。
税金と同様にマンションなどの管理費や修繕積立金の滞納も差し押えの対象になり、その滞納額が大きいと購入者の負担になるため、任意売却が難しくなります。 基本的には「ローン滞納中、またはローン滞納によってすでに物件が差し押さえられている」または「税金やローンを滞納しているものの、まだ物件は差し押さえられていない」といった状況であれば任意売却が可能ですが、「税金を滞納しているために物件を差し押さえられている」の場合は任意売却が不可能となります。

<物件に市場性があるか>

当然ながら、任意売却を検討している物件に売却できる市場価値がなければ、任意売却ができません。特に残債が多い場合は、債権者に任意売却を認めるほどの価値がないと判断され、任意売却自体が認められません。

<共有者や連帯保証人の同意を得られるか>

不動産を共有している場合や住宅ローンなどの借り入れにあたり連帯保証人がいる場合は、共有者や連帯保証人の同意が必要です。共有者の同意がなければ、不動産を売却することはできません。また、連帯保証人の同意がないとローンの返済について問題になることがあります。

<競売の開札日前日までに任意売却できるか>

任意売却が可能なのは競売の開札日(入札開始日)の前日までです。競売の入札開始日以降は、仮に売却活動をしていても債権者に任意売却を認めてもらえません。

任意売却の簡単な流れを紹介

最後に、任意売却の流れを簡単に紹介します。一般的な不動産売却と異なる点もあるため、検討する場合は事前に確認しておきましょう。

1. ローンの返済条件変更の相談

もし住宅ローンが払えなくなっても、すぐに任意売却を認めてもらうことはできないため、まずはローンの返済条件の変更を検討します。
金融機関と相談の上、一時的に元金の返済は据え置きで利払いのみとしたり、返済期間を延長して毎月の返済額を減らしたりといった方法を検討します。
それでも返済ができず、期限の利益喪失に至ってしまった(あるいは至ってしまう可能性が高い)場合、債権者に任意売却を相談します。

2. 物件の査定

金融機関と相談して返済条件を変更しても住宅ローンの支払いが難しく、物件を売却するしかないと判断したら、まずは通常の売却ができないか検討します。
その結果、売却査定金額がローンの残債を下回り、不足分を自己資金で補うことが難しく、通常の不動産売却ができない状況だとわかった場合、任意売却を検討することになります。

3. 金融機関と任意売却の相談

任意売却を検討している場合、金融機関にその旨を伝えて相談します。その中で、売却代金では完済できず残ってしまったローンの返済をどうするか、複数の債権者がいる場合は売却代金の配分をどうするかなどを決めます。相談を経て、金融機関の承諾が得られた後、任意売却の活動を始めることになります

4. 任意売却活動の開始

金融機関に認められたら、任意売却活動を始めることができますが、売却の流れ自体は通常の不動産売却と変わらず「販売開始→購入者からの申し込み→売買契約→引渡し・決済」となります。 通常の売却と異なるのは、任意売却では、できる限り売買契約と引渡し・決済を同日に行う必要があるという点です。通常の売却では、売買契約と引渡し・決済は別の日程で行うことが多くなりますが、任意売却では売主がお金に困っているケースがほとんどであることから、契約時に手付金を渡してしまうと売主が手付金を返済以外に使ってしまうなどのリスクがあるとみなされます。
それを防止するため、売買契約と引渡し・決済を同日付で行い、売主が一括で代金を受け取り、そのまま金融機関に返済することが条件となるケースが多くなります。
ただし、買主がローンを利用するなど契約と決済を分けて行う必要がある場合は、手付金を0円として売買契約を行う、あるいは手付金を仲介する不動産会社が預かるなど保全できる措置を講じて売買契約し、決済と分けて行うケースもあります。

5. 売却後もローンが残る場合は返済継続

任意売却後、ローンの残高がある場合は相談時に取り決めた内容に従ってローンの返済が続きます。金融機関によっては、ローン返済が継続できるよう返済金額を低く設定してくれるケースもあります。

まとめ

ローン返済が厳しくなってきたら、滞納が増える前に金融機関に相談し、返済金額を一時的に抑えてもらう、通常の方法で売却するなどの対処が先決です。
しかし、どうしても返済や通常の売却が難しい場合には、任意売却が得策になることもあります。ローンの残高が売却予想価格より多く、通常の売却が難しい場合は、競売手続きに移行されてしまう前に任意売却について金融機関に相談するようにしましょう。

執筆者:秋津 智幸 不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。

横浜国立大学卒業後、神奈川県住宅供給公社に勤務。その後不動産仲介会社等を経て、独立。
現在は、自宅の購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う。その他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。

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